自閉症について


自閉症は、生まれつき脳の中枢神経の障害によって起こる発達障害です。

自閉症は、心の病気でもありませんし、持って生まれた性格により自閉症を引き起こすわけでもありませんし、しつけの仕方で起こるものでもありません。また、引きこもりとも異なります。

自閉症は、身辺の物事の意味を正しく理解することができないという、
認知障害により様々な行動障害が現れます。

自閉症といっても十人十色。一概に自閉症とはこういうものですとは
いえませんが、コミュニケーション・対人関係・想像力の3つに自閉症特有の症状・特徴が現れることが多いです。



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自閉症コミュニケーション能力障害


自閉症児の多くに言葉の遅れが見られますが、中には言葉の遅れのない子もいます。しかし、言葉の遅れがない子でも少し普通とは違う使い方をすることがほとんどです。

例えば、言葉を獲得しても誰かに話し掛けるわけでもなく、独りで何度も何度も同じ言葉を繰り返すのみであったり、相手の言葉をそのまま繰り返すオウム返しであったりします。ただいまというべき場面で「おかえり」と言ってみたり、行って来ますと言うべきなのに「行ってらっしゃい」と言うこともあります。

これは、自閉症児(者)が自分と相手の立場を置き換えることが難しいためと考えられています。



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自閉症対人関係の障害


自閉症と聞くと、ほとんどの人がその言葉から、心を閉ざし自分の殻に
閉じこもってしまう人、といったような、心の病と捉えるようです。
そうではなく自閉症は“障害”です。対人関係を上手く築くことができないのです。実際心を閉ざすどころか、全く見ず知らずの人に親しげに話しかけたり、突拍子もない言葉をかける子もいるくらいです。つまり、自分と相手との関係を正しく理解できずに不適切な言動をとってしまうのです。
 
幼児期では、人見知りがなくて誰にでも平気で抱かれたり、お母さんの後追いが乏しかったりします。また逆に、人見知りや後追いが極端に強くて 1〜2才を過ぎても、お父さんにすら近寄るのを拒むという子もいます。普通大体2〜3才になると、友達を意識した行動をし始めるものですが、自閉症では友達への関心が薄かったり、仮に関わりが持てたとしても一方的だったりすることが多いのが現実です。



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自閉症想像力の障害


AになるかもしれないしBになるのかもしれない、等といった現実に直面したとき、自閉症児(者)の中には、大変強い不安感が生じます。臨機応変に対応する能力に乏しく、そのような不測の事態が起きるとパニックに陥って、普段であれば簡単にできていたはずのことができなくなってしまいます。そのため“いつも同じ状態であること”に強く固執しますし、その状態であることに何よりの安心感を覚えます。

例えば、いつもと同じ道順を通らないといけなかったり、衣類の着脱の順番があったり物の置き場所に決め事を作ったりすることも珍しくありません。いつも手に何かを握っていないと落ち着かないといったこともあります。

遊び方にも特徴が現れて、一列に並べることに没頭したり、 電車やマーク、文字、数字、特定のキャラクターなどに強く偏った関心・こだわりを示すこともあります。こうした偏った強い興味は、少し大きくなると特殊な能力として発揮されることもあります(サヴァン症候群と言います)。

例えば教えていないのに世界中の国旗の国名が言えてしまう、過去や未来のどの日付を言われても曜日を即答できる、等といったことはよく知られています。中には音楽や絵画などに大変優れた能力を発揮する人もいます。

また手をヒラヒラさせる、上下に飛び跳ねる、クルクル回る、体を前後に揺らすなどの、動きを繰り返すこともあります(常同運動)。



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自閉症の原因と治療(療育)について


自閉症の原因は、かつて親の子育てや環境がその一因だとされていた時代もありました。数年前からは水銀説がまことしなやかに流れていますが、その真相は未だ分かりません。

ただ現在では、「自閉症は脳の中枢神経の機能障害によって起こる障害」だという考え方が一般的です。しかし、何故脳の中枢機能に障害が起こるのか、脳のどの機能系の障害なのか等といった詳細については未だ解明されていません。一つ明らかにされていることは、自閉症は決して子育てや環境が原因で発症するのもではないということです。

自閉症は、生まれつき脳の中枢機能に何らかの障害があるもので、薬を飲んだり手術をしたりして自閉症そのものが治るというものではありません。そのため、自閉症に対する薬物療法は、主に家庭や社会で上手く適応できるようにするために用いられ、それ相応の効果が現れます。

ただし自閉症は、病気ではなく先天的な脳機能の障害ですから、病気であれば“治療”ということになりますが、障害の場合は治療ではなく“療育”ということになります。ですので、“自閉症を治そう”と考えるのではなく、“いかに上手くこの障害と付き合っていくのか”ということを第一に考えなければなりません。



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